歯の神経をとる治療(抜髄)治療
2026.09.16
歯の神経を取る治療は、歯を守るための治療です
「歯の神経を取る」と聞くと、
「神経を取ったら、歯が死んでしまうのでは?」
「できるだけ神経は残したほうがいいのでは?」
と不安に感じる方も多いと思います。
歯の神経は、残せる状態であれば、できるだけ残すことが大切です。
しかし、神経に強い炎症や感染が起きている場合には、神経を取ることが、痛みを取り除き、歯を残すために必要な治療になることがあります。
歯の中には「歯髄」という組織があります
歯の中心には、歯髄(しずい)という組織があります。
歯髄には、神経や血管、細胞などが含まれています。
一般的には「歯の神経」と呼ばれていますが、実際には刺激や異常を感じ取る役割などを担っています。
歯髄に炎症や感染が起こると、
- 冷たいものや熱いものがしみる
- ズキズキ痛む
- 夜になると痛みが強くなる
- 噛むと痛い
といった症状が出ることがあります。
原因には、進行した虫歯、歯のひびや破折、外傷、繰り返しの治療などがあります。
ただし、痛みがなくなったからといって、治ったわけではありません。
神経が壊死(腐っていく)すると痛みが一時的に軽くなることもありますが、歯の内部で感染が進み、歯の根の先に炎症や膿がたまる場合もあります。
神経を取る治療は、歯を残すための治療です
神経に強い炎症や感染がある場合は、原因となっている組織を取り除き、歯の内部を清掃・消毒します。
その後、細菌が入り込まないように封鎖します。
この治療を**根管治療(こんかんちりょう)**と呼びます。
つまり、神経を取る治療の目的は、
「神経を失わせること」ではなく、感染から歯を守り、歯を残すこと
です。
適切な根管治療と、その後の詰め物・被せ物によって、神経に問題が起きた歯でも、残して使える可能性があります。
神経を取るかどうかは、痛みだけでは決まりません
神経を取るかどうかは、次のようなことを確認して判断します。
- 虫歯がどこまで進んでいるか
- 神経に炎症や感染があるか
- 神経が生きているか
- 歯の根の先に炎症があるか
- 歯にひびや破折がないか
- その歯を残せる状態か
「痛みが強いから神経を取る」という単純な判断ではありません。
神経を残せる状態であれば、神経を残す治療を検討します。
一方で、強い炎症や感染がある場合には、無理に神経を残すことで、痛みや感染がどんどん広がっていきます。 その場合は、神経を取って感染を取り除くことが、歯を守るための選択になります。
神経を取った歯は、どうなるのでしょうか?
神経を取った歯は、冷たいものや熱いものを感じなくなります。
ただし、神経を取ったからといって、すぐに歯が使えなくなるわけではありません。
歯を長く使うためには、
- 歯の内部をしっかり清掃・消毒する
- すき間なく封鎖する
- 歯の状態に合った詰め物・被せ物をする
- 食いしばりや噛み合わせを確認する
- 定期的に状態を確認する
ことが大切です。
神経を取った後も、歯の根の周囲には歯根膜があるため、今まで通り何も感覚が変わることなく使用できます❗️
また、神経を取った歯は、虫歯やひびに気づきにくくなることもあるため、治療後も定期的な確認が必要です。
神経を取らずに放置することが、歯に負担をかけ、その歯の寿命を縮めます。
「できるだけ神経を取りたくない」という気持ちは自然なことです。
しかし、強い炎症や感染がある歯をそのままにしておくと、
- 歯の根の先に膿がたまる
- 歯ぐきが腫れる
- 顔や顎が腫れる
- 歯を支える骨に影響する
- 抜歯が必要になる
ことがあります。
そのため、神経を取る治療を避けることが、必ずしも歯を守ることになるとは限りません❗️
神経を取ることは、歯をあきらめることではありません。神経を取る治療は、できれば避けたい治療かもしれません。
しかし、神経に強い炎症や感染がある場合には、
痛みの原因を取り除き、感染の広がりを抑え、歯を抜かずに残すための大切な治療になります。
神経を取ることは、歯を失うための治療ではありません。これからもその歯を使い続けるために、歯を守る治療です。
気になる症状がある場合は、痛みが強くなるまで我慢せず、早めに歯医者さんに、ご相談ください。