咬合治療

咬み合わせの重要性

咬合治療

歯を1本ずつ治すだけではなく、お口全体の噛み合わせを考える

歯科治療では、むし歯があればむし歯を治し、歯の神経に問題があれば根管治療を行い、歯を失えばブリッジ・入れ歯・インプラントなどで補います。もちろん、それぞれの治療は大切です。
しかし、歯を失ったことで周囲の歯が傾いたり、歯が伸びてきたりしている場合、単純に「なくなった歯を補う」だけでは、十分な治療にならないことがあります。

石﨑歯科医院では、必要に応じて、「この歯だけをどう治すか」ではなく、「お口全体をどのようにしていくのか」という視点から、咬合治療を考えています。

歯がなくなったから、そこを補うだけでいいのでしょうか?

例えば、奥歯を1本失ったとします。

その場所にブリッジやインプラント、入れ歯を入れることだけを考えるのではなく、

  • 周囲の歯は傾いていないか
  • 歯が伸びてきていないか
  • 上下の歯はどのように接触しているか
  • 咬合平面が乱れていないか
  • これから入れる歯を、どのような位置・高さで作るのがよいのか
  • その治療によって、お口全体の噛み合わせはどう変わるのか

こうしたことまで考える必要があります。

歯を失った期間が長くなるほど、残っている歯が移動し、傾斜や挺出が起こっていることがあります。

その状態で欠損部分だけを補うと、かえって噛み合わせ全体のバランスを崩してしまうこともあります。

だからこそ、**「失った歯をどう補うか」だけではなく、「その歯を失ったことで、お口全体に何が起きているのか」**を見ることが大切だと考えています。

歯の傾斜や挺出によって、咬合平面は乱れていきます

歯を失うと、周囲の歯はそのまま動かずに残っているとは限りません。

隣の歯が傾いたり、噛み合う相手を失った歯が挺出したりすることで、歯の並びだけでなく、上下の歯が作る咬合平面にも変化が生じます。

こうした状態では、単純に欠損部分へ歯を入れようとしても、

「どこに、どの高さで、どのような形の歯を作ればよいのか」

という問題が出てきます。

そのため、咬合治療では、

歯の位置だけではなく、歯同士の接触、咬合平面、顎の動き、これまでの治療の経過などを含めて、お口全体を診断します。

安定した「顎位」を模索して、噛み合わせをつくる

咬合治療で重要になるのが、**「顎位」**です。

顎位とは、下顎が上顎に対してどの位置にあるかということです。

石﨑歯科医院では、必要に応じてスプリントなどを使用し、噛みしめなどによる筋肉の緊張をできるだけ取り除き、筋肉がリラックスした状態での下顎の位置を確認します。

そして、その状態を一つの基準として、

  • 現在の歯の接触
  • 歯や歯周組織の状態
  • 下顎の動き
  • 顎関節の状態
  • これまで受けてきた治療
  • 咬合平面の状態

などを総合的に確認します。

ここで大切なのは、誰にでも一つの「正しい顎位」があると考えることではありません。

現在の顎位が安定しているのであれば、それを尊重することもあります。

その人のお口の状態に合わせて、筋肉や顎の動きが安定し、無理のない状態を模索し、その状態をもとに咬合を再構成していく。

これが、石﨑歯科医院が考える咬合治療の重要な部分です。

こんな場合に、お口全体から考えます

咬合治療の対象となることが多いのは、例えば次のようなケースです。

  • 歯を失い、周囲の歯が傾いている
  • 歯を失ったことで、反対側の歯が挺出している
  • 部分的に歯が欠損している
  • 多くの歯を失っている
  • 長期間にわたって治療を繰り返している
  • これからブリッジや入れ歯、インプラントなどの補綴治療を行う
  • 欠損部分だけを治療するのでは、噛み合わせの設計が難しい

特に、歯を失った状態で、歯の傾斜や挺出が起こっている方が補綴治療を受ける場合には、お口全体の咬合を考えることが重要になります。

一方で、歯を失っていない状態で歯の位置や咬合平面に問題がある場合には、全顎的な咬合治療ではなく、矯正治療によって歯の位置を整えることが適している場合もあります。

つまり、すべての方に同じ咬合治療を行うわけではありません。

咬合平面が乱れると、歯にかかる力も変わります

咬合平面のバランスが乱れていると、単に「歯並びが悪い」という問題だけではありません。

噛むという動作は、上下の歯がただ垂直に当たるだけではなく、下顎が動きながら行われます。

そのため、歯の位置や接触のバランスが乱れていると、咀嚼運動の中で一部の歯に余分な力が集中することがあります。

その状態が長く続けば、歯や補綴物に負担がかかり、歯を長く使ううえで不利になる可能性があります。

また、歯がきちんと噛み合う状態をつくることは、効率よく食べるという「咀嚼能力」を考えるうえでも重要だと考えています。

咬合治療では、いろいろな治療を組み合わせます

咬合治療は、一つの治療方法だけで完成するものではありません。

患者さんのお口の状態によって、

  • 歯を削って咬合を調整する
  • 被せ物などの補綴物で歯の形や高さを整える
  • 矯正治療によって歯を移動する
  • インプラントを含めて補綴物を設計する
  • むし歯や根管治療を行う
  • 歯周病の治療・管理を行う
  • これらを複数組み合わせる

など、治療方法は大きく異なります。

「この方法で咬合治療をする」という決まった形があるわけではありません。

その方のお口の状態を診断し、必要な治療を組み合わせて、一つのお口全体として考える。

それが咬合治療です。

咬合治療と矯正治療は、同じものではありません

矯正治療は、歯を移動させて歯並びや噛み合わせを整えていく治療です。

一方、咬合治療では、歯の位置だけではなく、

歯の欠損、歯の傾斜や挺出、咬合平面、顎位、顎の動き、補綴物の設計などを含めて、お口全体の噛み合わせを考えます。

そのため、咬合治療の中で矯正治療を利用することもあります。

例えば、歯が傾いていてそのままではインプラントやブリッジを適切に設計できない場合には、先に矯正治療で歯の位置を整えることがあります。

つまり、

矯正治療は、咬合治療を行うための一つの手段になることもある。

という関係です。

すべての方に、大がかりな治療が必要なわけではありません

「咬合治療」と聞くと、

「お口の中を全部治療するのですか?」

と思われるかもしれません。

しかし、そうとは限りません。

現在の状態を診断したうえで、

  • 本当に治療が必要なのか
  • どこまで治療する必要があるのか
  • 今ある歯をどうすれば長く使えるのか
  • 今すぐ治療する部分と、経過を見てもよい部分はどこなのか

を考えます。

大切なのは、必要以上に歯を削ったり、必要のない治療を増やしたりすることではありません。

その方にとって必要な範囲を見極め、その中でできるだけ長く歯を使える状態をつくること。

それも咬合治療の大切な考え方です。

石﨑歯科医院が考える咬合治療

歯科治療には、むし歯、歯周病、根管治療、補綴治療、インプラント、矯正治療など、それぞれ専門的な治療があります。

しかし、実際のお口の中では、それぞれが別々に存在しているわけではありません。

1本の歯を失えば周囲の歯が動くことがあります。

歯の位置が変われば、噛み合わせが変わることがあります。

噛み合わせが変われば、補綴物の設計も変わります。

そして、その補綴物を長く使うためには、さらにお口全体のバランスを考える必要があります。

だからこそ石﨑歯科医院では、必要な場合には、部分的な治療だけで終わらせず、**お口全体の咬合を診断し、顎位・歯の位置・咬合平面・歯周組織・補綴設計などを総合的に考える「全顎的な咬合治療」**を行っています。

これは、歯科治療の中でも決して簡単な治療ではありません。

一人ひとりお口の状態が違うため、決まった方法があるわけでもありません。

だからこそ、診断する力、治療計画を立てる力、そして実際に治療を行うための知識と技術が必要になります。

石﨑歯科医院では、そのような治療を提供できるよう、日々研鑽を続けています。

「いろいろな歯科医院で治療してきたけれど、どうしていいのか分からなくなった」

「歯を失ってしまい、これからどうやってお口を立て直せばいいのか分からない」

「インプラントや入れ歯を入れる前に、お口全体を一度診てほしい」

そんなときには、一度ご相談ください。

本当に困ったときに、頼っていただける歯科医師でありたい。

それが、石﨑歯科医院が咬合治療に取り組む理由です。