歯の神経って何をしてるの⁉️石﨑解説
- トップページ
- 石﨑先生が本音で解説
- 歯の神経って何をしてるの⁉️石﨑解説
2026.08.10
石﨑歯科医院 お口の教科書
歯の神経って、何をしているの?
「神経を取ったら歯は弱くなる?」歯の中にある神経の役割を知っておきましょう
「歯の神経って、何をしているんですか?」
「神経を取ったら、その歯はどうなるんですか?」
「神経を取った歯は、もう死んだ歯なんですか?」
歯科医院では「神経」という言葉をよく使います。
でも、歯の中にある神経が、実際に何をしているのかをご存じの方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、歯の中にある「歯髄(しずい)」について、できるだけ分かりやすくお話しします。
歯の中には「歯髄」という組織があります
一般的に「歯の神経」と呼ばれているものは、正確には歯髄という組織の中に存在しています。
歯髄の中には、
- 神経
- 血管
- 結合組織
などがあります。
歯を断面で見ると、
エナメル質
↓
象牙質
↓
歯髄
という構造になっています。
一番外側のエナメル質は、歯を守る非常に硬い組織です。
その内側にある象牙質のさらに中心部に、歯髄があります。
歯の神経は「歯の異常を知らせるセンサー」
歯髄の大切な役割の一つが、
歯に起こった変化を私たちに知らせること
です。
冷たいものがしみる。
熱いものがしみる。
甘いものがしみる。
歯をぶつけて痛い。
むし歯が進んでズキズキする。
こうした「痛み」は嫌なものですが、実は、
「歯に何か起こっていますよ」
と知らせてくれる大切なサインでもあります。
だから、歯が痛くなったときに、
「痛み止めを飲んだから大丈夫」
と終わらせるのではなく、
「なぜ痛くなったのか?」
を調べることが大切なのです。
歯がしみる原因は、神経だけではありません
「歯がしみるから、神経が悪くなったのかな?」
と思われる方も多いですが、そうとは限りません。
例えば、
- むし歯
- 歯肉退縮
- 知覚過敏
- 歯ぎしり・食いしばり
- 歯のひび
- 噛み合わせの問題
など、さまざまな原因があります。
つまり、
「歯がしみる=知覚過敏」
「歯が痛い=神経を取る」
と単純に考えることはできません。
大切なのは、症状の名前をつけることよりも、
「なぜ、この歯が今しみているのか?」
を考えることです。
これは石﨑歯科医院が知覚過敏の診療でも大切にしている考え方です。
むし歯が進むと、神経に近づいてきます
むし歯が小さいうちは、歯の表面に限られていることがあります。
しかし、むし歯が進行すると、歯の内部にある象牙質へと進んでいきます。
さらに進行すると、歯髄に刺激が伝わりやすくなります。
そして歯髄に強い炎症が起こると、
「何もしなくてもズキズキする」
「夜になると痛む」
「温かいものでも痛む」
「痛みが長く続く」
などの症状が出ることがあります。
このような場合には、歯髄を残すことが難しくなり、神経の治療が必要になることがあります。
神経は、できるだけ残した方がいい?
健康な歯髄を残せるのであれば、もちろんそれには意味があります。
しかし、
「神経を取る=悪い治療」
ということではありません。
歯髄に強い炎症や感染が起きている場合には、歯を残すために歯髄を除去する治療が必要になることがあります。
つまり、
「神経を取らないこと」が目的なのではなく、
「その歯を長く使える状態にすること」が目的
なのです。
神経を取った歯は「死んだ歯」?
これもよくある質問です。
確かに、歯髄を取ることで歯の内部にある神経や血管はなくなります。
しかし、
「神経を取った歯=もう使えない歯」ではありません。
歯そのものは残り、噛むという大切な役割を続けることができます。
適切に治療を行い、その後もしっかり管理していけば、長期間使える歯もたくさんあります。
「神経を取ったら歯が弱くなる」は本当?
ここは患者さんにぜひ知っておいていただきたいところです。
よく、
「神経を取った歯は枯れ木のようになって、すぐ折れる」
という説明をされることがあります。
しかし、実際にはそんなに単純な話ではありません。
歯が割れたり折れたりするリスクには、
- むし歯によって失われた歯質の量
- 大きな詰め物が入っているか
- 歯の残っている部分がどれくらいあるか
- 歯の形
- 歯ぎしり・食いしばり
- 噛み合わせ
- 治療後の修復方法
など、さまざまな要因が関係しています。
つまり、
「神経を取ったから、その歯が一気に弱くなる」
とだけ考えるのは正確ではありません。
特に大切なのは「残っている歯質」です
神経の治療が必要になる歯では、すでに大きなむし歯があったり、以前の治療で歯質が多く失われていたりすることがあります。
このような場合には、
「神経を取ったこと」そのものよりも、歯がどれだけ残っているのか
が、その後の歯の強さを考えるうえで重要になります。
だからこそ、神経の治療をした後は、
「神経を取ったから弱い」
と一括りにするのではなく、
「この歯は、どれくらい歯が残っているのか?」
「どのように治療したら、この歯を守れるのか?」
を考えることが大切です。
神経を取った歯にも「噛む力」は伝わります
神経を取ったからといって、その歯が噛むことをやめるわけではありません。
歯の周囲には歯根膜(しこんまく)という組織があり、歯に加わる力を感じるための重要な役割を持っています。
そのため、神経を取った歯でも、
「噛んでいる感覚が完全になくなる」
わけではありません。
歯そのものは、治療後も私たちの口の中でしっかり働いてくれます。
だからこそ、神経を取った後の「歯の守り方」が大切
神経の治療が終わったら、
「これで治療終了!」
ではありません。
その歯をできるだけ長く使うためには、
- むし歯を再発させない
- 歯周病を予防する
- 歯ぎしり・食いしばりによる負担を確認する
- 噛み合わせを確認する
- 歯の残っている量に応じた修復を行う
- 定期的に状態を確認する
ことが大切です。
特に、歯ぎしりや食いしばりが強い方では、神経の有無に関係なく歯に大きな力が加わります。
以前の「歯ぎしり・食いしばり」のページとも、ここでつながってきます。
「神経を取るかどうか」だけで考えない
歯の治療では、
「神経を残せるか?」
ということはもちろん重要です。
しかし、それだけではありません。
私たちが考えているのは、
「この歯を、これからどうやって長く使っていくか?」
ということです。
神経を残せる状態なら、できるだけ残す。
神経の治療が必要な状態なら、必要な治療を行う。
そして治療後は、その歯を守っていく。
この一連の流れが大切だと考えています。
石﨑歯科医院から
「神経を取ったら歯が死ぬ」
「神経を取ったら歯がボロボロになる」
というイメージを持っている方は少なくありません。
でも、実際にはもっと複雑です。
神経を取った歯でも、噛むための歯として長く使うことは十分可能です。
大切なのは、
神経を取ったか、取っていないかだけではありません。
その歯に、
「どれくらい歯が残っているのか」
「どんな力がかかっているのか」
「どんな治療をしたのか」
「これからどう守っていくのか」
を見ることです。
石﨑歯科医院では、痛みのある歯を単純に「神経の問題」と決めつけるのではなく、
「なぜこの症状が出ているのか」
を考えながら診療しています。
そして、神経の治療が必要になった場合にも、
その歯をこれからどうすれば長く使えるのか
まで考えて治療を行うことを大切にしています。