🦿第9回インプラント完全石﨑解説🤟出来る出来ない
2026.08.28
石﨑歯科医院 お口の教科書
インプラント完全ガイド 第9回
「インプラントって、誰でもできるの?」
「インプラントをしたいけど、自分はできるのかな?」
インプラントについて相談される患者さんから、こんな質問をいただくことがあります。
「もう年齢が高いけど大丈夫?」
「歯周病があるけど、インプラントできますか?」
「糖尿病があるんですが……」
「骨粗鬆症の薬を飲んでいます」
「タバコを吸っています」
このように、インプラント治療を考えるときには、いろいろな不安が出てきます。
では、インプラントは誰でも受けられるのでしょうか?
答えは、
「誰でも無条件にできる治療ではありません。ただし、何か病気があるからといって、すぐにインプラントができないと決まるわけでもありません」
です。
大切なのは、お口の状態と全身の健康状態を一緒に確認することです。
🦷 年齢だけで「できる・できない」は決まりません
「インプラントは若い人がするもの」
そんなイメージを持っている方もいらっしゃいます。
実際には、年齢だけを理由に一律にインプラントができないと判断するものではありません。
むしろ大切なのは、
- 手術を受けられる健康状態か
- 顎の骨がどのような状態か
- 歯ぐきの状態はどうか
- 残っている歯を維持できるか
- 治療後のメインテナンスを続けられるか
といったことです。
つまり、
「何歳だからできる」
というより、
「その方の現在のお口と身体の状態から考えて、適切な治療なのか」
という視点が重要になります。
🦷 歯周病があってもインプラントはできる?
これは非常に重要なポイントです。
歯周病があるからといって、必ずしも将来インプラントができないわけではありません。
ただし、
歯周病を放置したままインプラント治療を始めることはおすすめできません。
歯周病がある場合は、まず歯周病の状態を確認し、必要な治療や管理を行うことが大切です。
日本口腔インプラント学会も、歯周病がある患者さんでは、まず歯周病の治療を行ってからインプラント治療を行うことを勧めています。
これは、
「インプラントを入れる場所だけきれいにすればいい」
という話ではないからです。
お口の中には、インプラントだけでなく、まだ頑張ってくれている大切な歯が残っています。
その歯をこれからどう守るのか。
ここまで考えることが大切です。
🦷 糖尿病があったらインプラントはできない?
「糖尿病だからインプラントは無理ですよね?」
と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、糖尿病があることだけで、必ずインプラント治療ができないというわけではありません。
重要なのは、糖尿病の状態が適切に管理されているかどうかです。
インプラントは外科的な治療ですので、全身状態について事前に確認する必要があります。
現在、糖尿病などの治療を受けている方は、
「歯医者だから、この病気のことは言わなくてもいいかな」
とは思わず、必ず担当医に伝えてください。
日本口腔インプラント学会も、糖尿病を含む全身疾患がある場合には注意が必要であり、全身状態を正確に把握することが重要としています。
💊 飲んでいる薬も大切です
実は、病気そのものだけではなく、
「どんな薬を飲んでいるか」
も重要です。
例えば、
- 血圧の薬
- 糖尿病の薬
- 血液を固まりにくくする薬
- 骨粗鬆症の治療薬
- その他の慢性疾患の薬
など、服用している薬によって治療前に確認が必要になる場合があります。
そのため、初診時には、
お薬手帳などを持参していただく
と、とても助かります。
そして、
歯科医師の判断だけで、普段飲んでいる薬を中止することは絶対にしないでください。
必要があれば、主治医と連携しながら治療について考えます。
🦷 骨粗鬆症の治療をしているけど大丈夫?
これもよくいただく質問です。
骨粗鬆症そのものだけで、一律にインプラント治療ができないと決めつけることはできません。
ただし、使用している薬剤や治療内容によって確認すべきことがあります。
特に骨粗鬆症の治療薬には、歯科治療との関係で注意が必要なものがあります。
ですから、
「骨粗鬆症の薬を飲んでいます」
ということを、必ず歯科医師に伝えてください。
薬の名前が分からなくても、お薬手帳を見せていただければ確認できます。
🚬 タバコを吸っている場合は?
喫煙も、インプラント治療を考えるうえで重要なポイントです。
喫煙は、インプラント治療後の経過や成功率に悪影響を及ぼす可能性があります。
日本口腔インプラント学会も、喫煙者ではインプラントの残存率が低いことが知られており、減煙・禁煙してからの治療を勧めています。
ですから、
「インプラントを入れるから、タバコをやめなければならない」
というだけではなく、
インプラントを長く使っていくためにも、喫煙習慣を見直す
という考え方が大切です。
🦷 「骨が少ない」と言われた場合は?
これについては、第6回でも詳しくお話ししました。
骨が少ない=絶対にインプラントができない
というわけではありません。
骨の高さや幅などによっては、骨を補う処置を組み合わせてインプラント治療を検討できる場合があります。
ただし、骨造成をすれば必ずインプラントができるというものでもありません。
CTなどを使って、
「どこに、どのくらいの骨があるのか」
を確認したうえで、治療方法を考える必要があります。
🔍 では、何を調べてからインプラントをするの?
インプラント治療を考える場合には、単に「歯がない」ということだけを見るわけではありません。
例えば、
お口の状態
- 残っている歯の状態
- 歯周病の状態
- 虫歯の有無
- 噛み合わせ
- 歯ぎしり・食いしばり
- 顎の骨の状態
などを確認します。
そして、
全身の状態
- 現在治療中の病気
- 服用している薬
- 手術に影響する可能性のある病気
- 喫煙などの生活習慣
についても確認します。
日本口腔インプラント学会が公開している治療指針でも、インプラント治療では術前の医療面接や全身疾患、生活習慣、歯周組織、画像診断などを含めた総合的な診査が重要とされています。
🦷 「インプラントができるか」だけを考えない
ここが、石﨑歯科医院で大切にしているところです。
インプラント相談に来られた患者さんに、
「できますよ」
と答えて終わりではありません。
まず考えたいのは、
「本当にインプラントが、その患者さんにとって一番良い治療方法なのか?」
ということです。
歯を失った場合には、
インプラント
だけでなく、
ブリッジ
入れ歯
という選択肢もあります。
それぞれに良いところ、注意すべきところがあります。
だからこそ、治療方法を一緒に比較して考えることが大切です。
🏠 石﨑歯科医院では「お口全体」を診ます
インプラント治療では、
「歯がない場所」
だけを見てしまいがちです。
でも、本当に大切なのは、
その歯を失った原因は何だったのか?
ということ。
歯周病だったのか。
虫歯だったのか。
噛み合わせや強い力が関係していたのか。
そして、
残っている歯を、これからどう守っていくのか?
ということです。
インプラントを入れたとしても、残っている歯に問題があれば、お口全体の健康を守ることはできません。
だからこそ石﨑歯科医院では、
「インプラントを入れる治療」ではなく、「これからのお口を守る治療」
という視点を大切にしています。
📚 このページで分かったこと
- インプラントは誰でも無条件にできる治療ではない
- 年齢だけで「できる・できない」が決まるわけではない
- 歯周病がある場合は、まず歯周病の治療・管理が重要
- 糖尿病などの全身疾患がある場合は状態の確認が必要
- 服用している薬も治療前に確認する
- 骨粗鬆症の治療薬なども必ず歯科医師に伝える
- 喫煙はインプラント治療のリスクとなる
- 骨が少なくても、状態によっては骨造成などを検討できる
- CTなどを利用して顎の骨の状態を確認することが重要
- インプラント以外にブリッジや入れ歯という選択肢もある
- インプラントを「入れられるか」だけでなく、「その人に適した治療なのか」を考えることが大切
- 治療後のメインテナンスまで含めて治療計画を考える必要がある
🦷 石﨑歯科医院からお伝えしたいこと
「自分はインプラントができるのかな?」
そう思ったときに、インターネットで
「糖尿病だからダメ」
「高齢だからダメ」
「骨が少ないからダメ」
と、一つの条件だけで判断してしまわないでください。
インプラント治療は、患者さん一人ひとりの状態によって判断が変わります。
だからこそ、
まず診る。
状態を知る。
治療方法を比較する。
そして、
「自分にとって一番納得できる治療方法は何なのか?」
を考える。
これが、インプラント治療を始める前に大切なことだと、石﨑歯科医院では考えています。
次回予告
インプラント完全ガイド 第10回
「インプラントは一生使える?寿命はどのくらい?」
「インプラントって何年くらい使えるの?」
「一度入れたら一生そのまま?」
「10年、20年使える?」
インプラントを考えるなら、「入れた後、どのくらい使えるのか」も気になるところですよね。
次回は、インプラントの寿命と、できるだけ長く使っていくために大切なことについて詳しく解説します。