歯周病は、本当に歯が抜ける😱

2026.08.13

石﨑歯科医院 お口の教科書

歯周病って、本当に歯が抜ける病気?

「歯周病になると、歯が抜けるって聞いたことがあります。」

患者さんから、よく聞く言葉です。

では、本当に歯周病になると歯が抜けるのでしょうか?

答えは、

「進行した歯周病では、歯が抜けてしまうことがあります。」

です。

ただし、いきなり歯がポロッと抜けるわけではありません。

その前に、歯を支えている土台が少しずつ失われていきます。

歯周病は「歯ぐきだけ」の病気ではありません

歯周病というと、

「歯ぐきが腫れる病気」

と思っている方も多いと思います。

もちろん、歯ぐきの腫れや出血は歯周病の代表的な症状です。

しかし、本当に注意したいのは、その先です。

歯周病が進行すると、

歯を支えている骨(歯槽骨)が少しずつ失われていきます。

石﨑歯科医院では、患者さんにできるだけ分かりやすく、

「歯周病は、歯を支えている骨が溶けていく病気ですよ」

と説明しています。

歯は「骨」に支えられています

歯は、歯ぐきの中にただ刺さっているわけではありません。

歯の根っこの周囲には、

・歯槽骨
・歯根膜
・セメント質

などからなる「歯周組織」があり、歯を支えています。

簡単にイメージすると、

歯 = 建物

歯を支える骨 = 建物の土台

のようなものです。

どれだけ立派な建物でも、土台が少しずつ崩れていけば、最後には建物を支えられなくなります。

歯も同じです。

最初は「歯ぐきの炎症」から始まります

歯周病の始まりは、歯の表面についたプラーク(歯垢)などに含まれる細菌による炎症です。

まず、

歯肉炎

と呼ばれる状態が起こります。

歯ぐきが赤くなる。

腫れる。

歯磨きすると血が出る。

この段階では、炎症が主に歯ぐきに限られています。

そして、適切なプラークコントロールによって改善できる可能性があります。

そのまま放置すると、どうなる?

歯肉炎を長期間放置すると、炎症が歯ぐきの奥へと広がっていきます。

すると、歯と歯ぐきの境目にできる「歯周ポケット」が深くなり、

歯を支えている組織にもダメージが及ぶようになります。

これが、

歯周炎

です。

一般的に「歯周病」という言葉は、歯肉炎から歯周炎までを含む歯周組織の病気を指します。

歯周病が怖いのは「痛くないまま進む」こと

歯周病の怖いところは、

痛みがないまま進行することがある

ということです。

虫歯なら、

「痛い!」

「冷たいものがしみる!」

など、比較的分かりやすい症状が出ることがあります。

しかし歯周病では、

「少し血が出るけど、痛くないから大丈夫」

「歯ぐきが少し腫れているけど、痛くない」

と、そのまま放置されてしまうことがあります。

その間にも、歯を支える骨が少しずつ失われていることがあります。

歯周病が進むと「歯が揺れる」ようになります

歯を支えている骨が少なくなると、歯を支える力も弱くなります。

すると、

「以前より歯が動く気がする」

「歯と歯の間に隙間ができた」

「歯が伸びてきたように見える」

「食事をすると歯が揺れる」

といった変化が出てくることがあります。

ここまで進行すると、歯を残すことが難しくなるケースもあります。

そして、最終的に「歯が抜ける」

歯を支えている骨が大きく失われると、

歯を支えきれなくなります。

その結果、

歯が大きく揺れる

噛みにくくなる

さらに歯周組織に負担がかかる

最終的に抜歯が必要になる

ということがあります。

つまり、

「歯周病で歯が抜ける」

というのは、本当です。

ただし、

歯周病になったら必ず歯が抜けるわけではありません。

ここは非常に大切です。

歯周病は「早く見つける」ことが大切

歯周病は、

「歯がグラグラしてから歯医者に行く」

のでは遅い場合があります。

むしろ、

歯が揺れていない段階で見つけること

が重要です。

歯ぐきから血が出る。

歯ぐきが腫れる。

口臭が気になる。

歯ぐきが下がってきた。

歯と歯の間に物が詰まりやすくなった。

以前より歯が長く見える。

こうした小さな変化も、歯周病のサインかもしれません。

「歯磨きしているのに歯周病になる」のはなぜ?

「毎日ちゃんと歯磨きしているのに、歯周病と言われました。」

こういう患者さんも少なくありません。

歯磨きはもちろん大切です。

しかし、

歯磨きをしていることと、プラークを十分に除去できていることは同じではありません。

歯と歯の間。

歯と歯ぐきの境目。

奥歯の周囲。

歯並びが重なっているところ。

詰め物や被せ物の周囲。

こうした場所には、歯ブラシだけでは汚れが残ることがあります。

だからこそ、

自分では磨けているつもりでも、実際にはプラークが残っている

ということがあります。

歯周病は「歯医者で治して終わり」ではありません

歯周病の治療で大切なのは、

歯科医院での治療と、毎日のセルフケアの両方

です。

歯科医院では、

・歯周ポケットの検査
・出血の確認
・歯の動揺の確認
・レントゲンによる骨の状態の確認
・歯石やプラークの除去
・ブラッシング方法の確認

などを行います。

そして、患者さん自身には、

毎日の歯磨きや歯間清掃

を続けていただきます。

一度失った骨は、簡単には元に戻りません

ここも歯周病を理解するうえで大切なところです。

歯ぐきの炎症は、適切な治療によって改善することがあります。

しかし、

歯周病によって失われた歯槽骨が、自然に元の状態へ完全に戻るとは限りません。

だからこそ、

「歯が揺れてから治す」のではなく、「骨が大きく失われる前に気づく」

ことが重要なのです。

歯周病は「歯を失う原因」になるだけではありません

歯周病は、お口の中だけの問題として考えられがちです。

しかし現在では、歯周病と全身の健康との関係についても多くの研究が行われています。

特に糖尿病など、一部の全身疾患とは双方向の関連が知られています。

だからこそ、

歯周病を予防することは、お口の健康を守るだけではなく、全身の健康を考えるうえでも大切です。

ただし、

「歯周病を治せば全身の病気が治る」

という単純な話ではありません。

あくまでも、

口の健康も全身の健康管理の一部

と考えることが大切です。

「歯が抜ける前」にできることがあります

歯周病で一番大切なのは、

歯が抜けないようにすること。

そして、そのためには、

「歯周病になってから治す」のではなく、「歯周病を進行させない」

ことが重要です。

定期的に歯周組織の状態を確認する。

毎日の歯磨きを見直す。

歯間ブラシやフロスを使用する。

歯石を除去する。

必要に応じて歯周病の治療を受ける。

こうした積み重ねが、将来の歯を守ることにつながります。

石﨑歯科医院から

歯周病について患者さんに説明するとき、

「歯ぐきが腫れる病気ですよ」

だけでは、少し分かりにくいと思っています。

もちろん、歯ぐきの腫れや出血も歯周病の大切な症状です。

でも、その先にある、

「歯を支えている骨が溶けていく」

ということを知っていただきたいのです。

歯は、歯だけで立っているわけではありません。

その下には、歯を支えている大切な土台があります。

その土台を少しずつ失わせてしまうのが、歯周病です。

だからこそ、

「歯がグラグラしてから歯医者に行く」

のではなく、

「歯がしっかりしている今から守る」

ことが大切です。

歯周病は、決して「年齢だから仕方がない病気」ではありません。

早く気づき、適切に管理していくことで、歯を長く使える可能性があります。

歯を守るということは、歯そのものを守るだけではありません。

その歯で食事をすること。

好きなものを食べること。

人と話すこと。

笑うこと。

そして、将来も自分の口から食べること。

そのすべてを守ることにつながります。

石﨑歯科医院では、目の前の歯だけを見るのではなく、

「この歯を、これから何年使っていけるのか」

という視点を大切にしながら、歯周病の予防・治療に取り組んでいます。

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